Pencil portrait of a woman looking up drawn with the Loomis Method

ルーミス法で描く見上げる顔(アオリ)の描き方【ステップ解説】

Oct 15, 2026One pencil drawing

正面の顔はだいぶ描けるようになってきた。ところが、モデルが少しあごを上げただけで、急に何もかもが合わなくなる。目は顔からずり落ちそうに見えるし、鼻はのっぺりして、あごのラインもどこかおかしい。

これは、上向きの角度になると、パーツだけでなく頭全体の構造が変わるからです。正面と同じまっすぐなガイドラインのまま描き進めると、最後までずっと絵と格闘することになります。

このガイドでは、私がルーミス法(Loomis)で見上げる顔、いわゆるアオリの顔をどう描いているかを、実際のポートレートを使って最初から最後までお見せします。頭の形を作り、ガイドラインを正しくカーブさせ、パーツを配置して、目と唇、さらにヘッドスカーフまで仕上げていきます。

まだ正面の顔を描いたことがない人は、先に正面の顔を描くルーミス法ガイドから始めてください。今回の内容はその応用です。

顔が上を向くと何が変わるのか

人があごを上げると、私たちは頭を少し下から見上げることになります。この視点の変化ひとつで、気をつけるべきポイントが3つ生まれます。

ガイドラインが上向きにカーブする。正面では、眉のラインと鼻のラインはほぼ水平です。でも頭が上を向くと、球体に巻きつけた虹のようなアーチになります。傾きが大きいほど、カーブも強くなります。

上の方の比率が縮む。おでこはこちらから遠ざかるように回り込むので短く見え、パーツ全体が頭の上の方へ移動したように見えます。

下側の面が見える。鼻の底、鼻の穴、あごの裏、そして首がよく見えるようになります。この部分こそが、アオリの角度に説得力を与えてくれます。

この3つを頭に入れておいてください。この先のステップは、結局すべてこれを当てはめているだけです。

ルーミス法で見上げる頭を描く手順

ステップ1:円、眉のライン、中心線を描く

まず頭蓋骨として、薄く円を描きます。円の大きさは髪の生え際からではなく、頭のてっぺんから測るのを忘れないでください。この資料では髪がスカーフで包まれているので、円を小さく描きすぎてしまいがちです。スカーフの下にある頭蓋骨をイメージしましょう。

次に眉のラインを引きます。ここが正面との最初の大きな違いです。まっすぐに引かず、上向きのゆるいアーチにしてください。このカーブが、見る人に「下から顔を見上げている」と伝えてくれます。

それから顔の真ん中に縦の中心線を入れます。あごはこの線にぶら下がるように作っていくので、円の下まで伸ばしておきましょう。

眉のラインを上向きにカーブさせたルーミス法の円と中心線(見上げる顔)

ステップ2:髪の生え際、鼻のライン、あごの位置を決める

円の上の方に髪の生え際のライン、下の方に鼻の付け根のラインを、どちらもカーブで入れます。2本とも眉のラインと同じ上向きのカーブに合わせてください。1本だけまっすぐで他がカーブしていると、顔がねじれて見えます。

続いて、円の下の中心線上に短い線を引いて、あごの終わりを決めます。資料と距離を見比べてみてください。見上げる角度では、おでこの部分がほかの2つより少し短く見えるので、3つの区画を無理に同じ長さにしないことが大切です。

上向きに傾いたルーミスの頭に髪の生え際、鼻のライン、あごの位置を描き込んだところ

ステップ3:側面を切り落とす

円の左右から、平らな面をスライスするように切り落とします。この側面が頭蓋骨の幅と、耳が来る位置を示してくれます。

切り口は眉のラインの端あたりから始めて、鼻のラインに向かって下ろしていきます。左右のバランスはそろえつつ、必ず資料を確認してください。頭がほんの少しでも横を向いていれば、片方の側面はもう片方より細く見えます。

ルーミス法で頭蓋骨の側面を切り落としたところ

ステップ4:あごのラインとあご先を作る

側面の下端から、あごの印に向かってあごのラインを描きます。あご先の底は、とがった点ではなく、短いカーブの面として描いてください。

ここがアオリの面白いところです。下から見ているので、あごの裏側が少しだけ見えます。あご先は正面のときより少し幅広く平らにして、下に引っ張りすぎないようにしましょう。見上げる顔が間延びして見える一番の原因は、あごの長すぎです。

ルーミス法で見上げる頭のあごのラインとあご先を描いたところ

ステップ5:耳、目のくぼみ、鼻を配置する

耳は側面の内側、だいたい眉のラインと鼻のラインの間に描きます。頭が上を向くと、耳は目に比べて少し低い位置に下がります。耳が高すぎるように見えたら、たいていこれが原因です。

次に、眉のラインのすぐ下に目のくぼみを丸い形で2つ置き、中心線上に鼻先となる小さなボールを置きます。口の位置に軽く印をつけ、そのまわりの口元のふくらみを示す線を何本か加えます。

先に進む前に、一度手を止めて、全体の構造を資料と並べて見てください。直すなら今が一番ラクなタイミングです。

耳、目のくぼみ、鼻の位置まで入れた見上げる顔のルーミス法の完成した骨組み

この骨組みの段階は多くの人が急いでしまうところで、私のルーミス法 完全マスターコースでも一番時間をかけている部分です。パーツをひとつも描く前に、どんな傾きや向きでも頭を正しく組み立てられるようにしていきます。

見上げる顔のパーツの描き方

構造ができあがれば、あとはすでに描いたカーブに沿ってパーツを置いていくだけです。パーツがガイドラインに乗っていなければ、ガイドラインを信じてパーツの方を直しましょう。

鼻と首

置いておいたボールを中心に鼻を組み立てます。この角度では鼻の底がよく見えるので、鼻の穴に注目してください。小さな2つの暗い形として見えて、ここが角度の表現のほとんどを担っています。

このタイミングで首と肩のラインもラフに描いておくといいです。あごを上げると首が伸びます。早めに描いておくと、頭が体の上で本当に後ろへ傾いているように感じられます。

見上げる顔で下から見た鼻と首を描いたところ

唇

まず上唇と下唇が合わさるラインを描きます。これも鼻のラインと同じ上向きのカーブに合わせます。そのあと上唇と、ふっくらした下唇の形を加えます。

下から見ると、上唇は少し薄く、下唇は少し厚く見えます。下唇の裏側がより多く見えるからです。口角はやわらかく描いてください。口角を暗く硬く描くと、表情がこわばって見えます。

鉛筆で見上げる顔の唇を描く方法

顔の輪郭を整えてイヤリングを加える

ここで顔の外側の輪郭に戻ります。骨組みをガイドにしながら、資料にある実際の頬とあごの形に合わせていきます。顔は一人ひとり違います。ここから絵が「ただの頭」ではなく「彼女」に見え始めます。

イヤリングなどのアクセサリーは、まだ全体が薄い線のうちに加えておきましょう。耳の位置が合っているかの確認にもなります。

鉛筆のポートレートで顔の輪郭を整えてイヤリングを加えたところ

ヘッドスカーフと眉を描く

ヘッドスカーフや髪を包む布は頭蓋骨の上に乗っているので、その外形は必ず最初の円より外に広がります。まずは大きな形から描きましょう。頭に巻きついている布のかたまりと、両サイドに垂れ下がる布です。しわや柄はあとに回します。

それから眉を描きます。眉のアーチはカーブした眉のラインに沿わせてください。これも見上げる角度に説得力を出してくれるポイントのひとつです。

鉛筆のポートレートにヘッドスカーフと眉を描いたところ

目の高さがそろっているか確認する

まつげを1本描く前に、目の高さをチェックしましょう。定規か、鉛筆をそのまま両目のくぼみに当てて、両目が同じカーブの上に乗っているかを確かめます。

目の位置がずれていると、片目ずつはきれいに描けていても、ポートレート全体がどこかおかしく見えてしまいます。このちょっとした確認で、それを防げます。

ポートレートで目を描く前に目の位置がそろっているか確認しているところ

目を描く

上まぶたから始めます。目の中で一番濃く、一番太い線です。次に虹彩と瞳孔を描きます。人が上を見ると、虹彩は上に移動して上まぶたの下に少し隠れ、その下に白目が少し見えることがよくあります。真ん中に浮かんだまん丸の円として描かないようにしてください。

下まぶたは薄めにして、まつげはまぶたに沿った短いカーブのストロークで加えます。片方の目を完全に仕上げてから、それを基準にもう片方を描くと、大きさ、角度、向きがそろいます。

見上げる顔でリアルな目を片方描いたところ 上を見上げる女性の鉛筆ポートレートで両目を描き終えたところ

軽いハッチングで仕上げる

仕上げに、顔の影側、鼻の下、下唇の下、そして首に沿って軽くハッチングを入れます。このスタイルなら、しっかりぼかす必要はありません。方向をそろえたストロークを少し入れるだけで、線画が立体感のあるポートレートに変わります。

ルーミス法で描いた上を見上げる女性の鉛筆ポートレートの完成図と資料写真

見上げる顔を描くときによくある失敗

ガイドラインをまっすぐのままにする:まっすぐな線だと顔が正面向きに固定されてしまいます。眉、鼻、口のラインは上向きにカーブさせましょう。

おでこを高く描きすぎる:下から見ると、おでこは向こう側へ回り込むので短く見えます。

あごを伸ばしすぎる:資料であごが実際にどこで終わっているかをよく見てください。たいてい思っているより上です。

耳を高い位置に置く:上向きの角度では、耳は目に比べて少し下がります。

下側の面を忘れる:鼻の穴、あごの裏、首。これらがあるからこそ角度に説得力が出ます。

スカーフや髪を円の内側に描く:頭を包むものは、すべて頭蓋骨の外側にあります。

見上げる角度の練習方法

いきなりポートレートを丸ごと描こうとしないでください。1つ2分くらいのルーミスの頭をページいっぱいに描いて、毎回あごを少しずつ上げていきます。ガイドラインがどれくらいカーブするか、あごと耳がどう動くかだけに集中しましょう。

次に、上を見上げている人の写真資料を集めて、パーツなしで骨組みだけを描いてみてください。構造が自然に描けるようになれば、パーツはむしろ簡単な部分になります。

まとめ

見上げる顔を描くのは、正面の顔より難しいわけではありません。ただルールが違うだけです。ガイドラインをカーブさせ、おでこを短くし、あごに気をつけて、新しく見えてくる下側の面を描くこと。

最初の1枚が少しおかしく見えても、それは普通のことです。資料と見比べて、構造の一番大きなミスを見つけ、次の絵ではそのひとつだけを直してみてください。

どんな角度の頭も描けるようになろう

見上げる角度は、あくまでひとつの角度にすぎません。うつむいた顔、横を向いた顔、そしてその間のあらゆる角度を当てずっぽうではなく描けるようになりたいなら、ルーミス法 完全マスターコースで、その仕組み全体をステップごとに学べます。

頭を立体として組み立てる方法、どんな傾きや向きでもパーツを正しく配置する方法を身につけて、線を1本ずつ写すのではなく、自信を持って顔を描けるようになります。

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